多発性円形脱毛症とは?
女性の抜け毛の中でも、特に円形脱毛症は脱毛部分が目立ちやすい症状。
円形脱毛症は特定の部分が一気に脱毛してしまう症状です。
通常の円形脱毛症は一ヶ所だけ…だと思っている人も多いかもしれませんが、重症化すると複数の場所に脱毛が起きる症状もあるんです。
それが、多発性円形脱毛症です。
一ヶ所でも非常に困る円形脱毛症ですが、2個以上できてしまうなんて考えたくもありません。
でも、もしできてしまったらどうすれば良いのでしょうか?
今回は多発性円形脱毛症について、対策や治療法などを詳しくご紹介していきます。
多発性円形脱毛症の原因
まずは多発性円形脱毛症の原因から知っていくことにしましょう。
実は多発性円形脱毛症も普通の円形脱毛症と原因は同じと言われています。
ただ円形脱毛症の原因は決定的な解明がされておらず、現時点ではいくつもの説が存在しています。
一体何が円形脱毛症の原因になりうるのでしょうか?
①自己免疫疾患
円形脱毛症の原因として一番有力とされているのが、自己免疫疾患です。
正常に働けば体に害を与えるものを駆除してくれる免疫機能ですが、ここに異常が起きると体の正常な細胞も攻撃してしまいます。
その矛先が髪の毛を作るための細胞に向くと、毛根が弱って髪の毛が抜け、円形脱毛症になってしまうと言われているんです。
円形脱毛症は自覚症状や前駆症状が何も無く、ある日突然頭に脱毛斑を生じる疾患である。原因として本来病原体を攻撃するはずの免疫系が自身の毛包を攻撃してしまう、いわゆる自己免疫反応などが提唱されているが、未だ未解明な部分が多く、その治療法は確立されていない。
②ストレス
ストレスは体のあちこちに異常をもたらす要因になるものですが、髪の毛も例外ではありません。
ストレスが原因で円形脱毛症になるケースもかなり多いと言われています。
まず、ストレスは先ほどご紹介した自己免疫疾患を誘発する原因になることがあります。
ストレスによって免疫が弱り始めていると感じる人は、少し注意したほうがいいかもしれません。
また、ストレスによる血行不良も円形脱毛症に関係があると言われています。
髪の毛は頭皮を流れる血液から作られますので、血行が悪くなると髪の毛に十分な栄養が行き渡りません。
それで円形脱毛症になってしまうこともあると言われているんです。
③ホルモンバランスの乱れ
髪の毛を維持するためには、女性だけでなく男性にも、女性ホルモンの存在が必須と言われています。
でも何らかの原因で女性ホルモン量に乱れが生じた場合、抜け毛の原因になってしまうことがあるんです。
また、ホルモンバランスが乱れると自己免疫疾患になる可能性が大きく上がると言われています。
ですから多発性円形脱毛症の原因がホルモンバランスに起因することも考えられるんです。
多発性円形脱毛症は更に悪化することも
多発性円形脱毛症は、単発型の円形脱毛症が重症化したもの…というお話は先ほどしました。
実は、多発性円形脱毛症よりも症状が進んだ円形脱毛症も存在するんです。
多発性円形脱毛症がさらに重症化すると、脱毛の範囲が全ての頭髪にまで広がってしまうことがあります。
これは全頭型の円形脱毛症と呼ばれていて、文字通り頭髪が全てなくなってしまうんです。
ここまで症状が進むと、治療期間も数ヶ月~数年かかると言われています。
そしてもっと症状が進むと、まつ毛や眉毛、わき毛など体中の毛までも抜け毛しまう脱毛症にまで発展することがあります。
汎発型と呼ばれるこの症状ですが、治療がかなり難しく期間も数年にわたると言われているんです。
ぜひ、ここまで症状が進む前に対策や治療を開始するようにしてください。
多発性円形脱毛症の対策方法
多発性円形脱毛症に気付いたら、悪化しないよう早めにケアを開始しましょう!
具体的にどういった対策をすればいいのかをご紹介していきます。
①育毛シャンプーの使用
多発性円形脱毛症になっている時は、頭皮が非常にデリケートになっています。
また、円形脱毛症にはシャンプーのアレルギー物質が悪影響を与えているとも言われていますので、ぜひシャンプー剤にはこだわるようにしてください。
オススメなのは「育毛シャンプー」と表示があるシャンプーです。
育毛シャンプーは頭皮に優しい洗浄成分が配合されている他、頭皮に悪い刺激を与えるような成分は極力排除されています。
ぜひ、円形脱毛症を発生している女性は育毛シャンプーの使用がオススメです。
②栄養バランスの整った食事
多発性円形脱毛症の原因には、ホルモンバランスの乱れも含まれていることがあるというお話をしました。
ホルモンバランスを整えるためにも、ぜひ食事の栄養バランスに気を遣ってみてください。
女性ホルモンの乱れにアプローチするなら、オススメなのが大豆イソフラボン。
大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをすると言われていますので、減ってしまった女性ホルモンを補うことができます。
また、髪の毛を作るためには欠かせないタンパク質も大事な栄養素。
そして髪の毛を維持するためのビタミンやミネラルなど、様々な栄養をバランスよく摂るようにしてみてください。
③軽い運動
運動不足になると血行が悪くなり、ストレスがたまります。
ぜひ、毎日の習慣に軽い運動を取り入れてみてください。
とは言え、いきなりジムに行ったりマラソンをしたりなどの本格的な運動をしなくても大丈夫。
移動の時に少し長く歩いたり階段を使ったり、また部屋の中で体操やストレッチをするだけでも構いません。
そうした習慣がストレス解消や血行改善を促します。
自己免疫疾患の症状を緩和する効果も期待できるんです。
多発性円形脱毛症を発症した女性の声
髪の毛がたくさんなくなってしまいました。ついでに最近では眉毛も脱毛しはじめていて、進行中です。
多発性円形脱毛症になり、9割以上の髪が抜けてしまいました。
わたしの場合も5個まで出来てかなり大きく本当に生えるのか不安でした。このまま増え続けていつかは髪の毛が全くなくなるかもしれない不安があり悩み苦しみました。
出典:女にとって多発性円形脱毛症はツライ。ストレスの原因解決とともに完治。 : 病気体験レポート 【病院口コミ検索Caloo・カルー】
ここでは多発性円形脱毛症を発症した女性の声を集めてみました。
女性にとって髪の毛は命とも呼べる大切なもの。
一ヶ所だけでもかなりの衝撃なのに、複数の場所に脱毛が起き、さらには9割近く抜け毛しまったという女性もいるそうです。
その苦しさを想像しただけでも胸が締め付けられる思いです…
そうならないためにも、円形脱毛症は軽症のうちに治療に向けて動き出したほうが良さそうです。
多発性円形脱毛症を発症しやすい女性の特徴
では、多発性円形脱毛症を発症しやすい女性に特徴などはあるのでしょうか?
下に挙げる特徴に当てはまった女性は、少し注意したほうがいいかもしれません。
①アトピー性皮膚炎の女性
実は円形脱毛症患者の40%はアトピー性皮膚炎も発症していると言われています。
つまりアトピー性皮膚炎の女性は、円形脱毛症になりやすいと言えるんです。
症状が進めば多発性円形脱毛症の可能性も大いにあると考えられます。
そもそもアトピーも円形脱毛症も、ストレスが原因になっている部分があります。
原因が同じところにあるわけですから、両方を同時に発症するリスクも比較的大きいというわけなんです。
②円形脱毛症の親を持つ女性
実は円形脱毛症には遺伝的な要因もあると言われています。
ですから円形脱毛症の経験がある親御さんを持つ女性ですと、多発性円形脱毛症のリスクも高くなるとされているんです。
どのくらいリスクに差があるかという点も、研究が進んでいます。
円形脱毛症の親を持つ女性とそうでない女性とを比べた場合、前者のほうが円形脱毛症を発症する確率が、なんと10倍も高いと言われているんです。
多発性円形脱毛症の女性はウィッグでのカバーがオススメ
では、実際に多発性円形脱毛症を発症してしまったらどうすれば良いのでしょうか?
治療に進むのも大事ですが、脱毛している部分を人に見られるのはかなりのストレス。
そのストレスが円形脱毛症を悪化させることもありますので、まずは脱毛部分を隠すことをおすすめします。
脱毛部分のカバー方法としておすすめなのが、ウィッグ。
部分的に隠すことができる小さいウィッグもありますが、多発性円形脱毛症の場合は大きいウィッグを使ったほうが上手に隠すことができるかもしれません。
今はウィッグの種類もかなり豊富にありますので、症状の範囲や部位に応じて臨機応変にカバーすることができます。
ぜひ一度、専門店で相談してみてください。
多発性円形脱毛症は病院での治療が欠かせません
脱毛部分を隠せば人目を気にする必要はとりあえずなくなります。
じゃあこのまま放っておけば自然に治るのかな…?
いいえ、多発性円形脱毛症は病院での治療が欠かせないんです。
確かに単発型の円形脱毛症の場合は自然に治癒する可能性もあります。
でも多発性円形脱毛症にまで進行しているということは、自然治癒する力がかなり落ちていると考えられるんです。
自宅でケアすることが無駄というわけではありませんが、個人だけの対策では多発性円形脱毛症の原因に効果的にアプローチするのはかなり難しいと言えます。
ぜひ、しっかりと医師のアドバイスを受けるようにしてください。
多発性円形脱毛症の主な治療法
多発性円形脱毛症になってしまったら病院で治療を受けるのがベストの方法。
では、病院でどういった治療を受けることができるのかをご紹介しましょう。
①ステロイド療法
多発性円形脱毛症の治療方法として主に用いられるのがステロイド療法です。
こちらは円形脱毛症ガイドラインでも推奨されている治療法なんです。
ステロイド療法には外用薬、内服薬のほか、点滴もあります。
どの療法を採用するかは症状の程度を見ながら医師の判断で決められていきます。
ただ、ステロイドというと副作用が気になる人もいるかもしれません。
確かにステロイドにはかぶれや発疹などの強い症状が出る可能性があると言われています。
ただ、医師の指示を守って使用すればそこまで重篤な症状が出る可能性は低いとされているんです。
②局所免疫療法
ステロイドは円形脱毛症に推奨されている治療法ですが、実は多発性円形脱毛症の場合は局所免疫療法のほうが第一に勧められています。
局所免疫療法とは、化学薬品を塗布することによってかぶれを起こし、免疫反応を抑える治療方法のこと。
塗り方などに注意が必要な部分があるので、医師の指導をきちんと守るようにしてください。
局所免疫療法にはステロイドほどの副作用の心配はないと言われています。
多発性円形脱毛症は何科を受診すればいいのか?
多発性円形脱毛症は病院でしっかり治療できることがわかりました。
でも、一体何科を受診すれば良いのでしょうか?
多発性円形脱毛症の場合、一番にオススメなのは皮膚科です。
皮膚科での円形脱毛症治療は研究がかなり進んでいますので、適切な治療を受けることができます。
また、薄毛治療専門のクリニックでも対応してくれます。
もしご自身の薄毛が円形脱毛症だという確証がない場合は、原因を特定するためにもまずは薄毛治療専門クリニックを受診するのがいいかもしれません。
円形脱毛症の方は早めに医療機関へ受診しましょう
多発性円形脱毛症の対策と治療について、いかがだったでしょうか。
円形脱毛症が複数にわたってできてしまうと、お医者さんに見せるのもなかなか勇気がいるかもしれません。
でも、そのまま放っておくと脱毛が進行して、多発性円形脱毛症どころか全ての頭髪が抜けてしまう…ということにもなりかねません。
早く治療を開始すればその分治療効果も高くなります。
円形脱毛症に気付いたら、ぜひ早めに医療機関を受診しましょう!