はじめての女性用育毛剤入門
女性用の育毛剤を使ってみたいけど、種類が多すぎてよくわからない…
そもそも本当に効果あるの?
と思っているあなたのために、今回は育毛業界で長年調査を重ねてきた筆者が、
- 女性用の育毛剤とはそもそもなんなのか
- 育毛剤の正しい選び方
- 育毛剤を使用する上での注意点
などについて詳しく説明していきます。
はじめて育毛剤の使用を検討している女性は必読です。
そもそも女性用育毛剤とはなんなのか
“女性用”育毛剤は、いわゆる”男性用”の育毛剤とはなにが違うのか。
その答えはズバリ、成分の種類と濃度にあります。
男性用育毛剤には、濃度の高い発毛成分や、女性の使用が禁止されている発毛成分が含まれている製品も多くある一方、女性用育毛剤には、女性ホルモンと似た作用を促す成分や保湿・美容成分が入った製品が多いのが特徴です。
比較項目 | 女性用育毛剤 | 男性用育毛剤 |
---|---|---|
成分の種類 | 女性ホルモンの補助成分 美容成分 など |
血行促進成分 ホルモン抑制成分 など |
発毛成分の濃度 | 薄い | 濃い |
禁止された発毛成分 | あり | なし |
中には”男性向け”に作られた育毛剤で、女性が使用しても特に問題がない商品もたくさんありますが、そういった商品はフタを開けてみると女性用育毛剤と成分内容がほとんど変わらなかったりするので、あえて男性用育毛剤を選ぶ理由は特にありません。
育毛剤にはどんな効果があるの?
「育毛剤を使えば髪の毛がぐんぐん生えてくる」というイメージがあるかもしれませんが、現実は育毛剤を使ったとしてもすぐに薄毛が改善するわけではありません。
育毛剤の効果は大きく2種類に分かれる
まず女性用の育毛剤は、以下の2つに大きく分かれます。
- ミノキシジルが配合されている育毛剤(いわゆる発毛剤)
- ミノキシジルが配合されていない育毛剤(育毛ローション、育毛エッセンスともいう)
ミノキシジルとは…?
厚生労働省に発毛効果が唯一認められている成分。
血管拡張作用によって血行を促進させたり、髪の毛の元となる毛母細胞を活性化させることで発毛を促します。
ミノキシジルが配合されている育毛剤としては、大正製薬のリアップシリーズが有名です。
国から認可されている唯一の発毛成分、ミノキシジルが入っている育毛剤はいわゆる「発毛効果」が認められているため、継続的に頭皮に塗布しつづけることで、髪の毛を生やすことができます。
一方それ以外の普通の育毛剤に関しては発毛効果は認められておらず、「育毛効果」や「養毛効果」ができるとされています。
簡単にいえば、ミノキシジルが入っていない育毛剤では、髪の毛が生えやすくなるための頭皮の環境づくりができると考えておきましょう。
【関連記事】「女性用育毛剤のリアルな効果を口コミから徹底調査」
効果を実感するには時間がかかる
いずれの育毛剤にしても、それぞれの効果が現れるまでには時間がかかります。
一般的には育毛剤の使用をはじめてから、薄毛が改善してきたと実感するまでには、「最低3ヶ月、長くて半年」はかかるとされています。
育毛剤を使うと決めたからには長期戦を覚悟しましょう。
そして商品を選ぶ際にも、コスト的に長期的に使用できるかも考えておく必要があります。
ちなみに、髪の毛が部分的にごっそりと抜け落ち、頭皮が円形状に見えてしまう「円形脱毛症」には育毛剤は効きません。円形脱毛症には円形脱毛症に適した治療薬が必要になってくるので、すぐにお近くの皮膚科を受診しましょう。
育毛剤の副作用はそこまで心配する必要はない
現在、市場で手に入る女性用育毛剤の中には、重篤な副作用が出るような製品は基本的にありません。
ただ一点、ミノキシジルを配合した育毛剤だけは「第一類医薬品」に分類されており、一定数の副作用の報告があります。
男性用のミノキシジル配合育毛剤「リアップX5」を使用した調査にはなりますが、厚生労働省が発表している資料「ミノキシジルのリスク区分について」によると、およそ11人に1人の割合でなにかしらの副作用を感じたそうです。
副作用発現症例は3,072例 中271例 (8.82%)、378件であった。
出典:厚生労働省「ミノキシジルのリスク区分について」
内訳としては、378件のうち
- かゆみ:123件
- 発疹:43件
- フケ:33件
- 皮膚炎:32件
など、ミノキシジルを塗布した部分に関する症状が目立ちます。
中には皮膚系の症状以外にも、頭痛、動悸、血圧上昇などの副作用が起こった人もいるようですが、重篤なものは一件もないので、通常の使用の範囲ではそこまで神経質になる必要はありません。
ミノキシジルが配合された女性用の育毛剤「リアップリジェンヌ」に関する調査においても、140例のうち、製品の使用と関連づけられた副作用はわずか6例(4.3%)にとどまり、リアップリジェンヌを販売する大正製薬は、公式サイトで以下のような見解を示しています。
主な副作用は刺激感、接触性皮膚炎等の皮膚症状であり、いずれも軽度又は中等度なもので、重篤なものは認められませんでした。
出典:大正製薬「リアップリジェンヌ|臨床試験結果」より
変な使い方をしないことが前提
「育毛剤の副作用は心配しなくていい」と言えるのはあくまでも、
- 期限が切れた育毛剤の使用
- 用量を越えた使用
- 手当たり次第の併用
など、通常予想される範囲を超えた使用方法を行わないことが大前提です。
むやみやたらに育毛剤を使用し、万が一重篤な副作用が発生した場合は、国が管理する「医薬品被害の救済制度」を受けられなくなる可能性もあるのでご注意ください。
【関連記事】「使用厳禁!女性にとって危険な育毛剤とは?【副作用の脅威】」
育毛剤の正しい選び方
女性用育毛剤は種類が多すぎるので、具体的な商品名を探す前に大枠として、
- ミノキシジル配合の育毛剤
- 通販限定の育毛剤
- 市販でも買える育毛剤
のうち、どれが自分に適しているかを考えると、商品選びがスムーズになります。
まずは以下のチャートを参考に、あなたにあった育毛剤の種類を見つけてみてください。
【チェック①】現在感じている症状の程度は?
- 「抜け毛の量が圧倒的に増えた」「頭皮がはっきりと見えてきた」など、薄毛の兆候を感じる → チェック②へ
- 「抜け毛が気になりはじめてきた」「頭皮がうっすら見えてきた」など、薄毛の進行を感じる → チェック③へ
【チェック②】一番に育毛剤に求めることはなんですか?
- とにかく高い育毛効果 → チェック③へ
- 返金保証などサポートの充実度 → Bの育毛剤をチェック!
- 価格の安さ → チェック④へ
【チェック③】副作用はどの程度気になりますか?
- 副作用の可能性があったとしても育毛効果が優先 → Aの育毛剤をチェック!
- 副作用の可能性は低いに越したことはない → Bの育毛剤をチェック!
【チェック④】育毛剤に期待する効果のほどは?
- 一定の効果はほしい → Bの育毛剤をチェック!
- 気休め程度でも問題ない → Cの育毛剤をチェック!
A:ミノキシジル配合の育毛剤
薄毛の症状がある程度進行していて、強い育毛効果を求めている人には、ミノキシジル配合の育毛剤がおすすめです。
ただし前述したとおり副作用の報告もあるので、注意して使用しましょう。
代表的なのは以下の3製品です。
- リアップリジェンヌ…国内で唯一、ミノキシジルが配合された女性用の育毛剤
- 女性用ロゲイン…海外で販売されている女性用のミノキシジル配合育毛剤
- リバースレディ…薄毛治療専門の「東京ビューティークリニック」が独自開発した治療薬
ちなみに近年リアップの特許が切れたことにより、後発薬が続々と登場しているので、女性向けのミノキシジル配合育毛剤もこれからどんどん発売されていく可能性が高いです。
「ジェネリックでも全然問題ない」という方は、ぜひチェックしておきましょう。
【関連記事】ダイヤモンドオンライン「大正製薬「リアップ」の牙城危うし!5社が後発品を準備中」
B:通販限定の育毛剤
一定の効果は欲しいけど副作用はないほうがいいという方には通販限定の育毛剤がおすすめです。
多くのサイトでは通販限定の育毛剤の選び方として「成分を見るべき」と書かれているものが多いですが、実際は成分を比べてもあまり意味がありません。
なぜなら厚生労働省に医薬部外品として使用することが許可されている成分のうち、育毛促進効果が高い成分というのは限られてしまうので、ミノキシジルが配合された育毛剤をのぞき、「女性用育毛剤」とかかげられて販売されている商品はほとんど実感する効果に違いがないためです。
よって通販限定の育毛剤の中から商品を選ぶときは成分を見るのではなく、
- サポート内容
- キャンペーン内容
- 価格
などを比較するようにしましょう。
通販限定の育毛剤は、毎月決まった日に家に配達される定期便の制度があるので、継続しやすいというメリットもあります。
C:市販でも買える育毛剤
気休め程度でもいいから、とにかく安いものがいいという女性は、ドラッグストア等で手に入る安価な育毛剤がおすすめです。
通販限定の育毛剤と比べると成分の質は多少劣ってきますが、「安心感」や「思いこみ」を得ることで薄毛によるストレスを減らすという意味では、なにも対策をしないよりはマシです。
市販の育毛剤は使いたいと思ったその日から始められるのがメリットですね。
育毛剤の使用をはじめる適切なタイミング
薄毛の症状は何歳でも起こる可能性があるので、年齢を基準に育毛剤の使用タイミングを考えることはやめましょう。
たとえば20代だからといって早すぎることはなく、抜け毛や薄毛の症状に危機感を覚えたときが始めどきです。
また出産や甲状腺疾患など、様々な要因によってホルモンバランスが乱れているときも、抜け毛予防として育毛剤の使用をはじめるタイミングといえます。
10代(特に高校生以下)は使わない方がいい
基本的に年齢は関係ありませんが、唯一10代の女性に関しては、当サイトでは育毛剤の使用をおすすめしていません。
理由としては、コスト的な問題と10代の薄毛の原因にあります。
まず、育毛剤の費用は少なくとも毎月数千円はかかり、効果を実感するには長期的な使用が必要となってきます。
そして、10代の女性の薄毛の原因は、生活習慣の乱れを原因とした頭皮の環境悪化が多いため、普段の生活を見直すことで自然に治る可能性が高いです。
よって一般的に収入が少ない10代の女性は無理をして育毛剤の使用をはじめるメリットはあまりありません。
薄毛対策として見直すべき生活習慣
- 栄養バランスのとれた食生活ができているか
- 適度に運動をしているか
- 睡眠不足になっていないか
- 刺激の強いシャンプーを使用していないか
- 目や頭が痛くなるほどスマホを使用していないか
- 頭皮に負荷のかかる髪型にしていないか
ちなみに生活習慣の改善をしてもいっこうに薄毛の症状が治らない場合は、ホルモン系の病気などが潜んでいる可能性があるので、医療機関を受診をおすすめします。
育毛剤の正しい使い方
細かい部分は育毛剤によっても変わってきますが、大まかな使用方法は以下の通りです。
- 生え際や分け目を中心に全体的に塗布する
- 指の腹を使って全体になじませる
- マッサージしながら頭皮に浸透させる
適切な使用頻度は1日1回、もしくは2回。
お風呂上がりの頭皮が一番綺麗な状態のときに、保湿も兼ねて育毛剤を使用するのが効果的ですが、頭皮への浸透率をあげるために、ある程度ドライヤーで乾かしたあとに塗布するのがおすすめです。
育毛剤に関するQ&A
最後に、育毛剤を使用する際に生じやすい疑問についてお答えしていきます。
Q1.育毛剤だけで薄毛は治る?
A.基本的に育毛剤を使用しただけで薄毛が完全に治ることはありません。
これは今回紹介したどの育毛剤を使っても同じことです。
薄毛の根本の原因は体内のホルモンバランスの乱れや血行不良にあるため、仮に発毛効果が認められているミノキシジル配合の育毛剤を使ったとしても、薄毛を”完治”させるには、やはり体内環境を改善させることが必要になってきます。
Q2.育毛剤は白髪にも効果ある?
A.白髪の原因が老化によるものではない場合は、改善される可能性があります。
白髪は薄毛と原因が共通している部分があり、主に女性ホルモンの減少や毛根の栄養不足によって起こります。
よってこれらの原因が老化によって起こされたものでなければ、間接的に白髪の改善にも影響を与えることはありますが、育毛剤は白髪の改善を目的として作られているものではないため、過剰に期待をするのはやめましょう。
Q3.育毛剤を使えば髪が早く伸びる?
A.現在販売されている育毛剤の中に、髪を通常よりも早く伸ばす効果をもつ商品は存在しません。
育毛剤の効果はあくまでも、弱った毛根を活性化させたり頭皮に栄養を与えることで、髪の毛の健康を手助けするものです。
髪が伸びるスピードを左右する要因に関してはいまだ解明されていないことも多いのが事実。
「これを使えば髪が早く伸びる!」などとうたっている育毛剤は怪しすぎるので、使用しないようにしましょう。
Q4.育毛剤はいつまで使いつづければいい?
A.効果を実感してから最低でも半年は使いつづけましょう。
育毛剤を使って薄毛の改善を実感したとしても、体内の環境が改善されていない場合はすぐに薄毛が再発する可能性があるので、安易に使用を中止しないようにしましょう。
できることなら、育毛剤は予防効果が大きいので、薄毛の再発を防ぐためにも使い続けることが理想的です。
後悔のない育毛剤選びをしましょう
育毛剤とは長期的に付き合うことになるので、購入前に正しい知識を身につけ、十分に比較検討した上で自分にあった最適な一本を見つけましょう。
当サイトでは他にも育毛剤に関する様々な記事を提供しているので、ぜひ参考にしてみてください。