コーヒーで薄毛になるって本当?
味も種類も豊富にあり、リラックス効果もあることから多くの人に愛飲されるコーヒー。
実は直接的ではありませんが、飲み方によっては薄毛の原因を作ってしまうこともあるようです。
今回は薄毛とコーヒー(カフェイン)との関係について詳しくご紹介していきます。
コーヒーが抜け毛を誘引するメカニズム
コーヒーが間接的に抜け毛につながる根拠としては以下の3つが挙げられます。
- カフェインによる睡眠妨害
- アデノシンの抑制
- 亜鉛の吸収を阻害
1杯飲んだだけでこれらが薄毛につながることはありませんが、体調や摂取量によっては注意が必要なので、一つずつ把握しておきましょう。
①カフェインによる睡眠妨害
多くの方がご存知だと思いますが、コーヒーに含まれているカフェインには眠気覚ましの効果があります。
カフェインには交感神経を刺激する作用があり、私たちの身体は交感神経が優位になると目が冴えるように作られています。
睡眠中は発毛に重要な役割を持つ細胞を活性化させる成長ホルモンが多く分泌されるため、カフェインで睡眠不足になればその細胞の働きは十分ではなくなり、薄毛を助長してしまう場合があります。
②アデノシンの抑制
アデノシンとは元々体内に存在する成分で、血行促進作用があり、発毛を促進させる効果があります。
ところが、カフェインはアデノシンと似た構造をしているため、体内でのアデノシンの居場所を奪ってしまいます。
その結果、カフェインを大量に摂取することで、髪の育成に必要なアデノシンの育毛効果が失われる可能性があります。
アデノシンは興奮を抑え眠気を誘う効果がありますが、カフェインがこれを抑制してしまうことで脳が覚醒してしまうということも、前述の睡眠妨害に繋がります。
③亜鉛の吸収を阻害する
コーヒー(カフェイン)には亜鉛の吸収を阻害する働きもあります。
亜鉛は髪の毛を構成するタンパク質(ケラチン)を作る時に必要不可欠な成分。
亜鉛が不足すると、タンパク質が不足した弱々しい髪の毛が作られることになり、抜けやすくなってしまいます。
女性は冷えにも注意!
女性は冷え性に悩んでいる方が多いかと思いますが、身体を温めるためにコーヒーを飲んでいる場合は注意が必要です。
実はコーヒーを飲みすぎるとかえって体が冷えてしまうことがあります。
カフェインには本来、血行を促進させて身体を温める働きがありますが、過剰に摂取してしまうと自律神経が乱れて血行不良におちいることに…
さらに利尿効果によって水分を放出しすぎると、こちらも体温低下に繋がります。
体が冷えると血管が収縮し、頭皮に血液が回らなくなることで、薄毛に悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。
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実はコーヒーは薄毛に良い影響も与えてくれます
ここまではコーヒーが薄毛につながる要因について述べてきましたが、実はコーヒーは適量であれば以下のような育毛にプラスの効果をもたらしてくれます。
- 血行促進効果
- 薄毛の原因物質の排出
それぞれのメカニズムを見てみましょう。
①血行促進効果
コーヒーは飲みすぎると身体を冷やすというお話をしましたが、適量であれば血行を促進させる効果を持っています。
栄養は血液によって身体中に運ばれるため、身体中の血行が良くなると、自ずと頭皮にも十分に栄養が行き届くようになります。
しっかりと髪の毛の成長に必要な栄養素を食事から摂取していることが前提ですが、コーヒーを適度に飲むことで、間接的に薄毛の改善につながることになります。
②薄毛の原因物質の排出
コーヒーに含まれるカフェインには利尿効果がありますが、適度に利尿効果はDHTと呼ばれる薄毛の原因物質の排出を促してくれます。
DHT(ジヒドロテストステロン)によって毛髪の元になる細胞の働きが抑制されることで髪が抜けやすくなってしまい、結果的に薄毛につながります。
DHTが元で起こる薄毛の症状をAGA(男性型脱毛症)、女性に起こった場合はFAGA(びまん性脱毛症)といいます。
ただし前述した通り、必要以上に体内の水分を取り除いてしまうと、体温の低下に繋がりかねないので注意しましょう。
適度にコーヒーを飲んで薄毛対策に活かしましょう
適度に飲めばコーヒーは薄毛対策に有効と説明してきましたが、この”適度”は一体どれくらいのことをいうのか。
ここからは育毛に効果的なコーヒーの飲み方について説明していきます。
①寝る前に飲むのは避ける
睡眠不足を防ぐために、薄毛が気になっている方は就寝前にコーヒーを飲むのは控えましょう。
カフェインによる効果の持続性を考えると、目安として寝る前の7時間以内の摂取は避けるべきです。
リフレッシュの目的などでどうしても寝る前に温かいものを飲みたい場合は、ほうじ茶などカフェインの少ない飲みものを選びましょう。
何を言われようがどうしても寝る前にコーヒーが飲みたい!という方は、牛乳と混ぜて飲むことがおすすめです。
牛乳には安眠効果があるため、カフェインによる覚醒作用が和らぐかも…(とはいえやはり寝る前のコーヒーは避けるのが一番です。)
②1日2~3杯程度に抑える
個人差はありますが、身体に悪影響が出ないコーヒーの適度な摂取量は1日に2〜3杯程度とされています。
薄毛に影響するカフェインの具体的な摂取量についてはいかなる機関も言及はされていないため断言はできませんが、身体に影響がでない量を守ってさえいれば特に問題はないでしょう。
カナダ保健省(HC)においても、2010年に1日あたりのカフェイン摂取量として、健康な成人で400 mg(コーヒーをマグカップで約3杯)まで、カフェインの影響がより大きい妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性は300mg(コーヒーをマグカップで約2杯)までとされています。
③ノンカフェインコーヒーを選ぶ
薄毛対策などは考えずに単純にコーヒーが好きだから好きなだけ飲みたい!という方は、ノンカフェインのコーヒーを選ぶようにしましょう。
ノンカフェインであれば、適量のカフェインによる育毛効果を得ることはできませんが、同様に飲みすぎたとしてもカフェインによる薄毛への影響も気にする必要はありません。
そもそもカフェインによる育毛効果はそれほど大きく期待できる訳ではありませんので、薄毛が気になる方はコーヒーをノンカフェインのものにし、薄毛対策は育毛剤など他の育毛ケアアイテムで行うことをおすすめします。
コーヒーは薄毛に多用な影響をもたらします
飲み方を間違えると薄毛に悪影響を及ぼすコーヒーですが、適度に取り入れることで逆に薄毛の対策にもなります。
ただしコーヒーが薄毛に与える影響はいずれにしても直接的ではないため、気にしすぎるのもよくありません。
コーヒーが好きな方は過剰摂取にだけ注意をし、好きではない方は無理に飲まずに他の方法で薄毛を改善していきましょう。